家の中へ戻ります。
手を伸ばしたあと、戻ってくるものを選ぶことはできません。現世に残ったYだけが強くなり、画面に散ったもうひとりは置き去りになります。
Y / 非常口
この選択は1度きりです。どれを選んでも保存されます。
手を伸ばしたあと、戻ってくるものを選ぶことはできません。現世に残ったYだけが強くなり、画面に散ったもうひとりは置き去りになります。
見送った人は、最後に見ていた人として残ります。止めなかった記録は、家の窓とタイムラインの両方に保存されます。
救済という言葉は、声を渡す時だけやさしく聞こえます。Yの声は■■へ返され、家には声のない気配だけが残ります。
消した記録は、消された形でいちばん長く保存されます。黒塗りは扉ではなく部屋になります。
あなたの名前で、Yが返事をします。空席は埋まりますが、空いた席の数は減りません。
返事をしないことも、返事として保存されます。家にいるYも、画面にいるもうひとりのYも、同じ未返信を待ちます。
出口を増やすほど、戻る場所が分からなくなります。二つに分ければ二倍救える、という考えだけが先に死にます。
一度見なかったテープを見ました。散らばった保存記録を拾いました。だからこの返事だけは、誰かを閉じ込めるための選択ではありません。
返事が届きました。